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現場で使える実践テクニック「みんなのGo言語」

Go Golang プログラミング

現場で使える実践テクニック「みんなのGo言語」

著者の一人であるfujiwaraさんから献本をいただきました。
fujiwaraさん、著者の方々、および技術評論社様ありがとうございます。

各章について、簡単に所感を書いていきます。

はじめに

「はじめに」にはGoの利点が簡単にまとまっています。
LL言語のような手軽さ、パフォーマンス、およびシンプルさなど、 この2ページを読んだだけでGoを使ってみようという気になるのには十分ではないでしょうか。

第1章

第1章はGoを使い始める準備の章です。

紹介されているツールはどれも気持ちよくGoを書いていくために有用なものばかりなので、 入れておいて損なものはないでしょう。

ファイル分割やパッケージ分割の考え方なども示されています。
多く語られているわけではありませんが、最小かつ十分な例と共に説明されており、 Goで少し大きなコードを書くことになった時には、非常に参考になると思います。

「現場で使える実践テクニック」ということで、vendoringやMakefileの書き方も綺麗に紹介されています。
ケルトンとして参考にするには十分なものであると思います。

"Goに入ってはGoに従え"、節のタイトルになっており、よく目にする言葉です。
Goで文法を勉強した後に何気なく書いていると陥ってしまうことなどが示されています。
mapがスレッドセーフではない点など、文法を勉強した後に一度目を通して意識しておきたい点が押さえられています。

第2章

第2章はGoをマルチプラットフォーム対応にしていくための注意点を示してくれる章です。

Goではクロスコンパイルができますが、愚直に書いているだけでは、 プラットフォームによっては予期しない動作をすることがあります。
この章では、マルチプラットフォームで動かすために知っているべきことを紹介してくれるので、 CLIツールを作るときなどに参考になると思います。

また、マルチプラットフォームで動作させるための注意点の中に、 Goのテクニックも織り交ざって紹介されているので、 "マルチプラットフォームはまだあとでいいや"と思わず、読んで欲しい章だと思います。

第3章

第3章は現場で実用となるアプリをGoで書くときのポイントについて、解説されています。

ある程度の大きさのアプリケーションを動かすことになれば、大量のログやデータのやり取りが発生します。
その中で、io.Writerやio.Readerをラップすることで、バッファリングをうまく制御し、 大量のデータをやり取りするときにでも問題なく処理ができるようにするテクニックが紹介されています。
また、問題が起こった時など、人間が調査する必要がある点についても言及し、 人に見やすいアプリケーションを作るポイントも紹介されています。

io.WriterなどはGoを書いている中で最も多く利用するインターフェースの一つではないかと思います。
テストの時に出力先をBufferにして、出力を確認するするなど非常に便利に利用できます。

また、安全なアプリケーションの終了の仕方も載っており、 1.7でxパッケージからcontextパッケージになったcontextを利用したキャンセルなどのパターンも紹介されています。

第4章

第4章はGoでのCLIツール作成についてです。

Goはクロスコンパイルが簡単に行うことができ、シングルバイナリで配布することができます。
その点から、CLIツールを作成することにも非常に向いています。
この章では、どのようなパッケージの構成でCLIツールを作成していくのかに始まり、 flagパッケージを利用して、コマンドラインオプションの設定などを解説していきます。

特にflagパッケージの実装を追っていき、独自のコマンドラインオプションの型を追加する節は、 読んでいるだけで楽しく興奮してくるような面白さがあります!!

また、CLIツールは誰か(作成した自分も含む)が使い続けていく点をあげ、 メンテしやすく、使いやすくなるようなポイントを示してくれています。

第5章

第5章はreflectについてです。

この本を読んでこれからGoを始めようとしている方は、この章は一旦さらっと読むだけでも良いかもしれません。
この章でも言及されていますが、必要となるまで利用しないようにするのが、reflectだと思います。
しかし、現実の問題に対処していくとなると、いずれ必要になることでもあります。
その時には、この章は問題に対処するため、非常に有用な情報を与えてくれるでしょう。

上記のようには書きましたが、reflectについて非常に丁寧に書いてくださっていますので、 reflectを使いはじめるとしたら、この章は参考になることばかり載っていると思います。
reflect.SelectCaseを初めて知り、reflectについての自分の知識のなさを実感しました。

reflectを利用した際のパフォーマンスについても書かれており、ちゃんと良くない部分にもフォーカスしています。

第6章

第6章はGoでのテストについてです。

Goでのテスト、ベンチマーク、及びExampleの使い方などが紹介されています。
Exampleはdocsでコードの確認が簡単にでき、書かれていると他の人がdocsを見た時に非常に助かるものです。

また、並列が得意なGoにおいてのData Raceの検知方法や、 ちょっと面倒なMockの方法など解説されています。

1.7で追加されたテストの機能についても所々で触れられています。


全体まとめ

私の感想としては、チームでGoを使いはじめるのであれば、第一章は必読と言って良いと思います。
Goのコードを書き始める前に読んでおくことで、スムーズに開発に入って行くことができるでしょう。

どの章も有用なテクニックが多く示されており、Goを書いていく上では、 「プログラミング言語Go」と並んで有用な図書であると私は思いました。

Goのシンプルさもあってか、小さくまとまったコードサンプルも多く載っており、 読んでいてわかりやすく、楽しい本でもありました。

裏表紙や各ページの余白部分に怪人(?)やその手下(?)のような絵があり、 「Gopher君達は彼らと戦っているんだろうなー」とか思いながら読んでました。